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・ダイエットしたいけど、どのくらいカロリーを制限したら良いの?
・増量するなら、毎日5合も白米食べないといけないの?
この記事では、こういった疑問にお答えします。
最速最短で筋肉量を増やしたい方はもちろんですが、体脂肪を燃やしたい方にも必ず必要な知識ですので是非最後までご覧ください。
そもそもカロリーとは一体何なのか
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カロリーと聞くと、食事量が多いとカロリーも多いとイメージを持つかと思いますが、
科学的には、カロリーというのは熱量エネルギーを表す単位の一つです。
1kcal は水1 mlを1気圧の下で1度上昇させるのに必要な熱量と定義されています。
人間は、このカロリーをエネルギーとして体を動かしています。
カロリーというのは、食品を摂取することでエネルギーに変換するのですが、
タンパク質、脂質、炭水化物の3大栄養素が主なものとなります。
3大栄養素のカロリーの量はそれぞれ違う。
・米やパンなどの炭水化物 1gあたり 4kcal
・肉や魚卵などのたんぱく質 1gあたり 4kcal
・バターなどの脂質 1gあたり 9kcal
・お酒なののアルコール 1gあたり 7kcal
揚げ物やお酒を摂りすぎると言われるのは、この1gあたりのカロリー量が多いことが原因となります。
体重を増減させるために、運動が必要と言われますが、それよりもこのエネルギー量を調節するほうがはるかに重要になります。
カロリーと筋肥大の関係とは
カロリーと筋肉に関しての研究が行われ始めたのは、1994年からになります。
サリー大学の研究では、筋肉が作られる際には、体内のエネルギーとなるADP(アデノシン三リン酸からリン酸1つがはずれたもの)が必要になります。
カロリーをADPに変換して体内に増やすことで、筋肥大がすすむというデータが出ています。
カロリー摂取を制限した場合の体重と、体組成の変化に関してはどうでしょうか。
2006年のフロリダ大学の研究になります。
体重減少すると、脂肪と筋肉の両方が落ちる
カロリー制限をしたダイエットを行うことによって、体重は減少しますが
体重の減少のうち25%以上は、筋肉が小さくなることによる体重の減少であったという結論が出ました。
つまりカロリー制限というのは、筋肉量を大幅に下げてしまうということです。
しかも、研究によればカロリー制限することによって筋肉が小さくなってしまうだけではなく、
握力など筋発揮率も低下してしまうことが分かりました。
カロリー不足で筋力も低下する
カロリーの摂取を十分にしないことで、筋肉が小さくなってしまい、さらに筋力までもが弱くなってしまうことが明らかになっているんです。
さらには、カロリー制限をすることによって、筋肉や筋力に影響を与えるだけではなく、細胞までも変化させることも分かっています。
2018年の研究では、カロリー制限をすることによって筋タンパクの合成量が下がり、
筋分解の量が上がったという結果が出ています。
基本的に筋肉というのは筋タンパクの合成量が、分解量を上回ることによって大きくなります。
つまりカロリー制限によって、体は筋分解優位に傾いてしまうことになります。
筋肥大を最大化させるためのカロリー摂取量
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筋肉を大きくさせるには、カロリーをしっかりと摂る必要があります。
では、筋肥大を効果的にするためには、どのくらいのカロリー摂取をすべきでしょうか?
2002年に、筋トレ経験がない男性を対象に8週間カロリー摂取量を増やした状態でトレーニングをしてもらい、どの様に変化するのかを調べた研究がされました。
カロリー摂取量を増やさなかったグループと比較すると、カロリー摂取量を増やしたグループは筋肥大が大きく進んでいたそうです。
しかも、ほとんど脂肪はつかず、摂取カロリーのほとんどが筋肉に変化していたそうです。
しかし、これは筋トレ未経験の方の場合です。
筋トレをしてる人は、カロリー摂取で筋肉も脂肪もつく
現在、筋トレを行っている場合は、この結果通りにはなりません。
筋肥大については、摂取カロリーを増やすことで、通常カロリー摂取グループと比較して大きな筋肉の増加を確認できました。
しかし、脂肪においては、通常カロリー摂取グループと比較して圧倒的に増加していました。
筋トレは習慣的にしている方は、
カロリー摂取量を増やすことで、通常カロリー摂取グループの6倍超の筋肥大、脂肪の増加はそれ以上につきます。
カロリー摂取を増やすことで、筋肥大を進めることが出来るが、それ以上に脂肪もついてしまう、ということです。
脂肪をつけずに筋肥大を最大化させるためのカロリー摂取量
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筋肥大を最大化させつつも、脂肪は最小限にするためのカロリー摂取の決め方です。
1.基礎代謝を調べる
2.活動係数をかけて、摂取カロリーを決める
3.体重測定を行い、1週間の平均で増加量を確認する
1.基礎代謝を調べる。
基礎代謝を調べる方法はいくつかありますが、代表的なハリス・ベネディクト方程式を使って調べるのが、良いかと思います。
簡単ではありますが、厳密計算し始めると、日々の摂取カロリーの計算なども手間になってくるので、簡単に計算する方が、継続しやすくなります。
計算が面倒と思われると思いますので、数値を入れたら自動で計算してくれるURLを貼っておきます。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228736
年齢、身長、体重を入力して計算すると、基礎代謝量を計算してくれます。
2.活動係数をかけて、摂取カロリーを決める
基礎代謝量を計算したら、次に活動係数を掛けます。
活動係数は以下の通りになります。
レベル1.座り仕事がメインでほとんど運動しな場合 1.2
レベル2.週に1から3日のウォーキングやジョギングをしている方 1.3
レベル3.週に3から5日のランニングや筋トレしてる場合 1.5
レベル4.週に4から6日のハードな有酸素運動や筋トレをしてる場合 1.7
レべる5.ほぼ毎日のようにハードな有酸素運動や筋トレをしている場合 1.9
細かく考える必要はありませんよ。
今の自分がどのくらい運動しているかを基準に考えて下さい。
基礎代謝に活動係数を掛けることで、大体の1日の消費カロリーが求められます。
摂取カロリーを消費カロリーと同じにすることで、体重は増えも減りもしません。
最後にどのくらいカロリーを摂取するのかを目的によって決めます。
筋肉を増やしたいなら、1.1から1.2を掛ける。
体重を落としたいなら、0.8から0.9を掛ける。
摂取カロリーを消費カロリーより多くしなければ、筋肉は大きくなりません。
しかしカロリー摂取が多すぎると脂肪がより多くついてしまいます。
消費カロリーを摂取カロリーより多くしなければ、体重は落ちません。
しかし、カロリー摂取が少なすぎると筋肉が落ちてしまいます。
【消費カロリーの±10~20%で体重をコントロールする】
消費カロリーの10%から20%のカロリー摂取を増やすことで、最低限の脂肪で筋肉を付けることが出来ます。
逆に、消費カロリーの10%から20%のカロリー摂取を減らすことで、筋肉量を維持したまま、脂肪を落とすことができます。
ただし、急いで体重を落としたい場合や、とにかく体をデカくしたい、と思う方には適しません。
その場合は、別の方法を選んで下さい。
3.体重測定を行い、1週間の平均で増加量を確認する
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ここまで出来たら、実際にカロリーを調整しながら観察します。
毎日、同じ時間(出来れば起床時)に体重を測定して下さい、そして記録して下さい。
一週間計測したら、平均をとって体重の増減を確認します。
体重というは、水分摂取や前日に摂取した食事、ナトリウムの量や糖質によって変化してしまいます。
出来るだけ同じ条件で体重測定を行い、一週間の平均を計算することで、体重の増減を正確な数値に近づけるようにします。
ガッツリダイエットをしたいという方は、体重の1%程度。ゆっくり体重を落としたい方は、体重の0.5%。
逆に筋肉をしっかり付けたい方は、体重の1%。脂肪を出来るだけつけたくない方は0.5%です。
このくらいの数値を意識すると、体に負担なく体重を増減させることができます。
一週間の体重増減の数値が、0.5~1%から離れてしまっている場合は、摂取カロリーの調整をして下さい。
食べすぎ、食べなさすぎの指標になります。
まとめ
・筋肥大=摂取カロリー>消費カロリー
・ダイエット=消費カロリー>摂取カロリー
・自分の1日の消費カロリーを計算して、目的に応じて摂取カロリーを調整する
・体重の増減は1週間で体重の0.5~1%に抑える
筋肥大やダイエットには、摂取カロリーの調整が重要になります。
健康的に理想の体を手に入れるため、日々の摂取カロリーをコントロールすることを意識して生活していきましょう。
また、カロリーだけでなく、炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素のバランスも重要になってきます。
3大栄養素については、別の記事で紹介させていただきます。
ありがとうございました。